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ラクルと、シャルナークが飛び出していった窓をしめ、マチは肩をすくめた。このやりとりも、そろそろ片手を超えるんじゃないだろうか。
最初こそは、何事かと思ったのだが、ここまで来ると慣れてあきれしか出てこない。
戸締まりが終わると、クロロは帰るぞ。と、役目は終わったとばかりに言った。
「あいつら、よく飽きないね」
なんて成長がない。と肩をすくめる。わかりきった結果になるのに、なぜ繰り返すのか。
「これがあいつらのコミュニケーションだからな。飽きるとは違うんだろ」
マチが意味がわからないとばかりに、眉を潜めると、クロロは苦笑しながら続ける。
「ラクルは逃げる先の部屋は、必ず2つ以上の部屋をとる。そして布団も用意する。オレがいると邪魔だ。場所がバレる。と苦情は言うが、けして追い返さない。
あいつは分かっているんだ。本気で隠れれば見つける事ができないとね。その対策にわざとオレを呼びこむ。」
意味がわからない。と言うマチにクロロは苦笑した。
「本気で逃げたいわけじゃない。だけど、手を抜くわけにもいかない。そういうことなんだろう。手を抜くとシャルの方が怒るだろうからな。
シャルもその辺りはわかっている。だから、見つけ出して追いかけても、手加減をした攻撃しかしない。ラクルもわかっているからただやられる側にまわる」
「それって隠れる必要ないんじゃ?」
「結局はふたりとも不器用なんだ。
似た能力で、お互い腹が立つ事もあるだろう。そういう時にちょっかいをかけずにはいられないが、素直に謝れない。だから逃げて追いかけて仕返す。そういう形をとって、お互いの落とし所にしている。更に衝突しながら、お互いの力を磨き合ってるんだろう」
「はぁ」
なんて馬鹿。マチは呆れたが、納得もした。ブツブツ文句言いながらも、ラクルの仕掛けた罠を解析している時のシャルナークは楽しそうなのだ。
あれもコミュニケーションの一貫だと思えば納得する。
「男ってやつは、バカだね」
やっぱりわからないとマチは苦笑した。
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