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END→START

なんで、タイムスリップしているんだ。

 オレは頭をかかえる。ハンター試験を終え、ヨークシンでのオークションを終えたハズなのに、何故かタイムスリップ現象で過去にさかのぼっている。
 新聞を見ると、あの試験から4年ほど前だ。
 だが、ただやり直しというわけじゃない。平行世界へ移動してしまったらしく、調べてみると自分以外にもミルキという存在がいる。
 怪我をした過去もなく、ひきこもりのまま、おデブ生活を満喫しているようだ。

 過去の記憶をたよりに、こっそりイルミとすれ違ってみたが、ドラマ的な展開などなるわけがなく、知らない顔をして通りすぎていった。去っていった先をみて、たそがれる。

 これまで心の支えは確実になくなった。
 イルミにあっても他人としか扱ってもらえない。自己紹介をするにもミルキというわけにはいかない。

「これから、どうしようか」

 とりあえずのライフラインの確保にうごきだす。自分には強さとハッキング技術がある。




 そして、1ヶ月後。

 あのときと逆だよな。

 ふと落ち着いてやったこと。それはある男の行動を調べる事だった。わかりやすい男だ。
 普段隠れているとはいえ、存在と行動範囲がわかれば立ち寄るところはすぐわかる。

「相変わらず珈琲にこだわっているんだよな」

 雨上がりの日だった。まだ店内はあまやどりのためか、人が多い。
 店員に相席をお願いされる。ならばあの席にと一つの席を指し示す。

 黒髪で蒼いピアスをした男が本をめくっている。
 その横に、座り珈琲を頼む。
 オレも本を広げる。

 だがそれもすぐおわり、話しかけた。「おもしろそうな本ですね」と。

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